🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

7・22 レースカーテンの隙間から@VACANT、ありがとうございます。

去る7・22、渋谷区神宮前三丁目の路地にある素敵な建物「VACANT」にてトークイベント「レースカーテンの隙間から:翻訳とマイノリティと」がありました。

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写真左から、司会者の江口研一さん、都甲幸治さん、ミヤギフトシさん。

2011年から続くAmerican Boyfriendというシリーズの一環として5回目となる今回は、言語のちがいや翻訳がうむ関係や"マイノリティ"が触れるさまざまな境界をともに探究したいとミヤギフトシさんが、都甲さんとわたしにお声をかけてくださいました。

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テーマじたいも魅惑的でしたが都甲さんとまたご一緒できるなら!と心弾ませて引き受けたおしごとで、予想どおりとても充実した時間を過ごしました。

7月7日に発売された文藝2018年秋号にて、「アメリカの風景」「暗闇を見る」に続く三部作の最後となる小説「ストレンジャー」を発表したばかりのミヤギフトシさん。

ストレンジャー」は、ジャックと名付けられた主人公がニューヨークという異境の地で、セクシュアルなものを含めたみずからのアイデンティティを探究しつつ、美術制作をとおし、どうにか"居場所"を模索する"留学切ない小説"。

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日本語で経験しなかったことについて日本語で書くということ、語り手たちの一人称を選ぶ上での葛藤など、話題は尽きませんでした。

わたしは台湾にルーツをもち、中国語や台湾語との関連で自分のニホン語とむきあっていますが、ベースになってるのは結局は、"標準"語、東京の現代日本語です。

その意味では、日本語で小説を書こうとするのなら、沖縄の離島出身であるミヤギフトシさんのほうが、"翻訳"を宿命づけられている書き手なのだと思いました。

しかもミヤギさんは、語弊をおそれずにいえば日本の"真ん中"をすっとばして、世界の"真ん中"ことアメリカの、それもニューヨークで自分の居場所を探そうとする少年--それも、日本人、であると断定してよいのか定義がむずかしい立場の--について書くのだから…その試みに、とても刺激をうけました。

ちなみに美術家、写真家として高く評価されているミヤギさんの映像作品や写真もまた胸をぎゅっとしめつけてきます。未体験の方、ぜひとも!!

http://fmiyagi.com/

来場者の方々の中にはわたしがずーっとお会いしたいとひそかに願っていた鈴木みのりさんがいらしてて、それがすごくすごーくうれしかった💖 さっそくツーショット撮らせてもらいました。

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なんだか初めて会った気がしなくてほおが緩む〜。🥟水餃子にはとにかくウルサイふたり。みのりさん、いつか水餃子を食べに行きましょうね🥟あと、カラオケも!笑

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また、zineがきっかけで出会った大好きなDIRTYこと西山敦子さんとも久しぶりの再会!おひさま色のドレスが素敵でうっとりしちゃった。ぜったい欲しいと狙ってたケイト・ザンブレノ『ヒロインズ』(C.l.P. BOOKS)をちょうだいしちゃいました。これ、ほんとうにすばらしいので詳細は追ってまた!

そしてそして、

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 2014年の秋、ともに台南・高雄・台北を旅した田村かの子ちゃんも来てくれた😍

台南の国立台湾文学館の資料室をはじめ、呂赫若とむきあった忘れがたいr:ead#3での2週間がよみがえり、胸があつくなりました。

r:ead(レジデンス・東アジア・ダイアローグ) 

http://artscommons.asia/projects/read

かの子ちゃんともまた一緒に楽しいことがしたくてうずうずしてます。関係者各位、作戦会議しましょう!

というわけで、個人的にうれしい出会いと再会に満ちた一日となったのですが…

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"マイノリティ"とは誰か、という問い。そして単なる断絶ではなく柔らかな境界について…わたしはわたし、ミヤギさんはミヤギさんと、それぞれの探究の旅はまだまだ続きそうです。否応なく"マイノリティ"である、ということの夢のような特権性と悪夢のような不自由さの両極を揺れながら、創作という"ワイルド・サイド"を…ともに歩む頼もしい仲間とまた出会えて、わたしももっと闘わなくちゃとあかるい闘争心を燃やしています。

ミヤギさん、ほんとうにありがとうございます。これからもkeep in touchでね💖

https://www.youtube.com/watch?v=4p_cXfdz8Hw

7・18 毎日新聞夕刊Interviewで取り上げられました

7・18、毎日新聞夕刊にインタビュー記事が掲載されました。

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「フライトに臨む人々のドラマを軽やかに描き、その何気ない機敏が日本と台湾の歴史をほぐす」。

 歴史をほぐすこと。まさに、わたしが小説をとおして試みたいのはこれだなぁ、と納得! 非常に励みになりました。

 平成が終わりを迎えつつあるいまだからこそ、昭和について再考したい、個人的には日本列島の外--主に自分の祖父母が生きた台湾で--どんな「昭和」が続いていたのか、しっかり見つめておきたい、という私の意思について、わたしとほぼ同世代である記者のOさんが記事にしてくださったことを、ほんとうにうれしく頼もしく思います。Oさん、ぜひまた話しましょうね。

 

 該当記事はウェブでも読めます📚

Interview:温又柔さん 空港の興奮から着想 日本と台湾、多角的視点で描く - 毎日新聞

https://mainichi.jp/articles/20180718/dde/014/040/006000c

7・7 東京新聞夕刊文化面「土曜訪問」で取り上げられました

7・7、七夕の日の夕刊で取り上げられました。

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「この本(『空港時光』)は、今後もっと台湾の多面性に向き合っていきたいという宣言書でもある」。

 私がいまいちばん感じていることを、いち早く活字にしてくださった東京新聞のHさんに感謝!

取材、撮影場所は、東京・浜松町の世界貿易センタービルだったのですが、おかげで始終わくわくするひとときでした。

取材後は浜松町付近をよりみちして帰りました🚢 このあたりがやっぱり大好きです🚢

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東京新聞文化部さんもTwitterでこんなふうに呟いてくださっています!

「温又柔さんを取り上げた今週の土曜訪問はぜひ写真にもご注目下さい。地上152メートルの世界貿易センタービルの展望台から、羽田空港を遠望しました。1978年に国際線が成田空港に移ってからも、台湾便は羽田に残りました。温さんにとっては思い出の深い空港だそうです。 https://t.co/AcgQQRJgHg


 該当記事はウェブでも読めます🚢写真がカラーなので、展望台のむこうが、半分、青い!うれしいな。

 東京新聞:多面性に向き合って 日本と台湾つなぐ空港を舞台に新刊 温又柔さん(作家):土曜訪問(TOKYO Web)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/doyou/CK2018070702000249.html

5・27、岸政彦さんとの対談が、ブクログ通信で記事になりました!

5・27、青山ブックセンター表参道店で行われた岸政彦さんとの対談がブクログ通信で記事となりました。

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当日、来てくださった方々、行きたいなぁと思ってくださりつつもかなわなかった方々、『はじめての沖縄』をはじめ、岸さんのご著書にご興味ある方々、ぜひぜひご一読を!

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はじめて会ってから5分も経たずに始まりながらも、熱に溢れる対談となりました。

まずは前篇から!

『はじめての沖縄』刊行記念:岸政彦さん×温又柔さんトークショー 「境界線を抱いて」その1 | ブクログ通信

https://hon.booklog.jp/report/kishi-wen-20180712

 

7・22 イベントのお知らせ。

Talk:

レースカーテンの隙間から:翻訳とマイノリティと

2018.07.22 sun

START 16:30

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美術家・ミヤギフトシさんの小説三部作の最後となる小説「ストレンジャー」(『文藝2018年秋号』)の完成を祝してのイベント。2011年から始まったAmerican Boyfriend企画トークの一環とのこと。5回めとなる今回、都甲幸治さんとともにお招きをうけて、ワクワクしています。言語の違いや翻訳が生む関係や、マイノリティが触れる様々な境界をテーマに、ほかでもないお二方とたっぷり語らいたいと思ってます。ご興味を抱いた方、夏の夕暮れの日曜日にぜひ遊びにきてくださいね。

詳しくは→

https://www.vacant.vc/single-post/AmericanBoyfriend5

「すばる8月号」に紀行文「国と国の際で--〈中国〉旅行ノート貴州編」を寄せました。

7/6発売「すばる8月号」に中国・貴州を旅した際の紀行文を寄せました。

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今年2月上旬、ミャオ!という件名のメールが届き、ミャオの響きに心惹かれてはじまった中国・貴州省への旅。「日本に住む台湾人」として「中国」を旅しながら、身分証や言語のことなど思いをめぐらせました。私はつくづくそういうことばかり考えてしまいます。もはや、業のようなものなのでしょう。

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いまふりかえると、ミャオやトン族のひとびとの歌声や、清々しい山の空気や、土の匂いなどばかり思い出します。ほんとうに特別な旅でした。ミャオと言って私をこの旅に誘ってくださった管啓次郎さんの「貴州二十四葉」とともに、ぜひ楽しんでくださいね。

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↑こちらは、私たちを貴州に導いてくださったデザイナー・新居幸治さんが、ミャオの藍染(豚の血を織り込んだもの)の布を素材につくっためっちゃカッコいいレインコート!新居さん、すばらしい旅のきっかけを謝謝。

今回の紀行文を掲載させてもらった「すばる」編集長のHさん、編集部のKさんがこの旅に同行してくださったのも、私にはとてもしあわせなことでした。旅先では、それぞれオシゴトふっとんでひたすらワイワイはしゃいでいたのですが!うーん、楽しかった!

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ちなみに、管啓次郎さんとのW紀行文、第1弾は2012年の台湾でした。その後、管さんの「蘭嶼 アリバンバンの島」は、『ハワイ、蘭嶼 旅の手帖』(左右社)という詩集のようにうつくしい本に収録されました。そして私の「音の彼方へ」も『空港時光』(河出書房新社)に収録されたばかり。

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どちらも、旅先で読むのにぴったりの軽さとおおきさの本です。ぜひこの夏の旅路の友だちに⚓︎

長篇小説「魯肉飯のさえずり」連載第2回め

"小さな文芸誌"こと「アンデル」(中央公論新社)、空を飛ぶカモメが夏らしい7月号、でました。

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魯肉飯のさえずり、は、第2回めです。

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頭痛もちの専業主婦・桃嘉は、"完璧"な夫・聖司を喜ばせたくて、母のふるさとの味・魯肉飯をつくろうと試みるのですが…

🍚よろしくお願いいたします🍚

https://www.chuko.co.jp/andl.html