🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

書評⑥ 日本語で奏でるマヤの言い伝え

ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチ著、吉田栄人訳『言葉の守り人』(国書刊行会)の書評を書きました。魅惑のマヤ文学を論じるのに、西江雅之著『ピジンクレオル諸語の世界』(白水社)にある、翻訳をめぐる卓越な表現を引用できたことが、このうえなく嬉しかった!2冊とも帯の一文いちぶんから、すでにもう痺れます。

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https://book.asahi.com/article/13595574

「新しいマヤの文学」として『言葉の守り人』に先立って刊行されたソル・ケー・モオ『女であるだけで』もとてもよいです。書物は、未知なる世界への入り口。言葉は、書物の海を冒険するコンパス🚢

書評⑤「明るく傷つきやすい心をすくう」

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チェ・ウニョン著、古川綾子訳『わたしに無害なひと』(亜紀書房)の書評を書きました。

https://book.asahi.com/article/13533783

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訳者の古川綾子さんと。

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https://twitter.com/wenyuju/status/1275568087236882432?s=21

キム・ボラ監督『はちどり』に心揺さぶられた方にはチェ・ウニョン『わたしに無害なひと』を、チェ・ウニョン『わたしに無害なひと』が沁み入った方にはキム・ボラ監督『はちどり』を薦めたい…💛

書評④「人間中心の先入観をときほぐす」

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エヴァ・メイヤー著、安部恵子訳『言葉を使う動物たち」(柏書房)の書評を書きました。

https://book.asahi.com/article/13472268

言葉を使う動物たち? この魅惑的なタイトルにほんのわずかでも心惹かれたならぜひとも一読をおすすめいたします!おそらく予想以上の知見が獲得できます。

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荒木みなみさんによる各章扉のイラストが大変キュートです♡

『空港時光』「出発」「日本人のようなもの」「あの子は特別」が韓国語に翻訳されました

정말기쁩니다😊

『空港時光』「出発」「日本人のようなもの」「あの子は特別」の3篇が韓国語に翻訳されました。

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ニホン語で書くタイワン人として、育った国である日本とうまれた国である台湾の間を揺れながら、東アジアの近現代史をよく考えます。特に、この『空港時光』の次に発表した「君の代と国々の歌」では、東アジアの百年を背景にほんの少しだけ作中人物たちに韓国語で喋ってもらったのもあり…

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宗主国の国語をしゃべっていたお祖父ちゃんたちの孫として、アジアの作家として、さらにニホン語を追究したいと感じてました。

そんな自分の小説が、いま、韓国語訳されたことがとてもしあわせです。わたしの小説を必要としてくれる韓国語読者がいますようにと祈りつつ、そのひとのもとにこのテキストが届くことをわくわくと楽しみにしています✈️

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何よりも嬉しく頼もしいのは、チューゴク語とタイワン語まじりのわたしのややこしいニホン語を翻訳てくださったのが、すんみさんであるということ!

すんみさんが小山内園子さんと翻訳(こちらは韓国語→日本語)なさったイ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』(タバブックス)はわたしのバイブル🌈なので、ほんとにほんとにうれしい。

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韓国語読める方はぜひご注目くださいませ!
잘 부탁합니다😚

小声で。惜しむらくは、わたしの韓国語がまるで成長してないってこと…ここのところ毎晩、「愛の不時着」に夢中なのに…韓流ドラマも小説もおもしろすぎるでしょ…♡

書評③「のび太は悩みつつ人の幸せ願う」

杉田俊介著、『ドラえもん論 ラジカルな「弱さ」の思想』(ele-king books)の書評を書きました。

https://book.asahi.com/article/13414389

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どうして自分はこんなにもドラえもん藤子・F・不二雄作品に心惹かれるのか、その"秘密"がやさしくひもとかれる、F先生への敬愛に満ちた「ドラえもん論」。

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藤子・F・不二雄ワールドが大好きなひとたちと分かち合いたい一冊です。

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小声で。この書評を書くのをいいことに、ドラえもんだらけのホンワカパッパな数日を過ごしました。しあわせ〜。

「描くぼくが楽しみ、

読んでくれる人も楽しむ、

そんな漫画がずっと

ぼくの理想なんだ」(藤子・F・不二雄)

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オマケ♡

2020/05/30の朝日新聞朝刊には、朗読×演奏ユニットpontoの仲間である小島ケイタニーラブさんのインタビューも!

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この素敵な偶然に関係者一同ホンワカパッパ♡してました。QRコード付きの素敵な本『こちら苦手レスキュー、Q Q Q』にもご注目あれ!

https://www.hakusuisha.co.jp/smp/book/b498408.html

 

 

 

書評② 「よく生きるための秘訣を学ぶ」

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メーガン・C.ヘイズ、イェレナ・ブリクセンコヴァ著、田沢恭子訳『幸せに気づく世界のことば』(フィルムアート社)の短い書評を書きました。

https://book.asahi.com/article/13376932

フィルムアート社のサイトで、(なかなか贅沢な)試し読みができます🌷

http://filmart.co.jp/books/novel/happiness_passport/

日本にも、日本語以外のことばが溢れている。未知のよろこびに心を開く勇気を養うこと、そこからよりよく生きる秘訣を学ぶためにも、創元社の『翻訳できない世界のことば』シリーズとおなじく、とてもおすすめです。https://www.sogensha.co.jp/special/honyaku/

 

書評① 「この世界にもっと複雑な彩りを」

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カルメン・マリア・マチャド著、小澤英実、小澤身和子、岸本佐知子、松田青子訳『彼女の体とその他の断片』(etc.books)の書評を書きました。

https://book.asahi.com/article/13343414

……わたくしごとながら、わたくしにとっては、初めて本格的に取り組んだ書評となります。いま、この時代に、この国で、この言語で書く小説家として、この上ない本で、書評"デビュー"を果たせたことを、とてつもなく幸運かつ幸福に思っています。

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同じ紙面に、『同定の政治、転覆する声 アルゼンチンの「失踪者」と日系人』『文明史から見たトルコ革命 アタテュルクの知的形成』『憲法解釈権力』の書評が掲載されているのも頼もしかった!

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一面、折々のことばも滲みる。

今後も、月に一冊を目標に、この世界にもっと複雑な彩りを与えてくれる本たちと真摯にむきあってゆきます🌈