2018年の出来事でもっとも喜ばしかったことの一つは、『空港時光』が河出書房新社さんより刊行されたこと。
くまざわ書店南千住店の店長さんがつくってくださった栞🔖は宝物。
なんと飛行機専門誌の月刊エアライン9月号にとりあげられたのも、とても嬉しかった✈︎ 「空港を行き交う人が内包している高揚感、不安、心細さ、期待を疑似体験しながら、読者もまた、自らの空港の風景を追憶するに違いない」。
台湾と日本。ふたつの国と國の真ん中を行き来しつつ、帰国と再入国を繰り返してきた。どちらか一つを、自分の母国として選ばなければならないなら、いったいわたしはどうすれば…揺らいでいた時期に羽田空港の到着ゲートで英語、中国語、韓国語で東京に到着した訪日客を歓迎する文字の中にあった
おかえりなさい
というひらがなを目にして、ここだ、と思った。
我住在日語(わたしは日本語に住んでいる)んだ。
はじめてそう感じたときからずっと書きたくて、なかなか書けずにいた一篇。
この作品を含む10話の小説のみならず、2012年に書いた紀行文「音の彼方へ」を併録するというほかでもない著者である私にとって最良のかたちですばらしい装幀の本にしてもらえてほんとうにしあわせでした。
いよいよ、韓国語をおぼえはじめて…「저기 일본」ではなく「잘 오셨어요」だったんだなぁ、といまさら!鉛筆で、書いておこう。てへ。