🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

『「国語」から旅立って』(新曜社)が、発売されました。

『「国語」から旅立って』(新曜社)が、発売されました。

http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-0f1d91.html

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ニサイ、という日本語をおぼえてから、李良枝「由熙」のような小説を書いてみせる、と決意するまでの日々を書いた1冊です。そんな私の、言ってみればとても個人的なニホン語史なのですが、そこに「お互いを認め合って、抱きしめ合うためのヒントが散りばめられ」ていると評してくださるASIA KUNG-FU GENERATION の後藤正文さんのおことばが眩しくて頼もしいのです。ゴッチさん、ありがとうありがとうありがとう。ジャッキーの声はやっぱり石丸博也さんでなくちゃね!

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装幀は、祖父江真さん&根本匠さん。一つ一つのアイテムがとびきりチャーミングなイラストは、100%ORANGEの及川賢治さん。題字はまたもやオンが書(描)かせてもらいました。扉絵はなんとオンが小学1年生のときに描いたヒコーキの絵が採用!されてます。

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お祖父ちゃんが台湾から遊びにきた日の日記に添えた絵がこんなふうに生かされるとは!

実は、「国語」から旅立って、と題したテキストを発表するのは今回で3回め。

1回めは、『coyote』2015年春号、最初の一歩に寄稿したとき。後藤美月さんが書き下ろしてくださった挿画は、2年半後、『真ん中の子どもたち』の装画となりました。その絵は、今もわたしの書斎に大切に飾ってあります。

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2回めは、coyoteのために書いたわたしのニホン語を、頼もしい仲間たちが英語、中国語、韓国語に翻訳してくれたとき。アルファベット、繁体字、ハングルで「おなじひとつの歌をいろいろな国語でいっぺんで歌った」ものを、林亜華音さんが、BOARDING PASS 仕様のzineにデザインしてくれました。

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そして今回の『「国語」から旅立って』。

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ずーっと、「国語」のことばかり考えているわたしが書きたいことはただ一つ。日本人であろうとなかろうと、ひとりひとりに宿るニホン語は、「国語」の教科書に印刷された日本語よりもずっと面白い。約260頁を費やしてそのことを、憧れだった「よりみちパン!セ」シリーズで書かせてもらったことはほんとうに幸運です。

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15歳や17歳の自分がぜったいに一目惚れするであろう装幀のまあたらしい自著を胸に抱えながら、書棚にある李良枝や、サンドラ・シスネロス、シンボルスカやラヒリ、アリス・マンローを見上げます。人生の節々でわたしを支えてくれた本たちのように自分が書いたこの本も、だれかの書棚の特別な位置に居場所を得られたら…と願わずにいられません。

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1冊目に続き、台湾と日本を行き来しながら日本語に育てられたというエッセイを2度も書くことがかなって、作家としてこの上なく幸運です。読んでくださる方がいらっしゃるおかげです。多謝。

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書くことに憧れて、書くことに支えられ、書くことにのたうちまわりながらも書くことにこそ最上の興奮をするという、かわりばえのない、それでいて、かけがえのない人生は続きます…這就是我的生存之道,還沒還沒好戲才將要上場,只要一直這樣下去今後都會有好感覺…これからも私の本を愛読してくださる皆々様とともにさらにニホン語を咲かせます💐💐