🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

✏️「日本語の住人として」掲載されました。

2月5日、毎日新聞で連載中「日本語の住人として」が掲載されました。つい先日、大阪に向かうために新幹線に乗ろうとした日に体験したある出来事について。この内容をどう書けばいいのか、半日以上考え込み、やっとのことで書けました。

…あいかわらず動揺するたびに私はその動揺の真っ只中で、自分の「正しさ」に溺れることなく、そのことをどんなふうに言葉にしたらいいのかおろおろと模索してばかりだ。でも、私はそれを言葉にしなければならない。何しろ私にはそれを言葉にする責任とそして権利がある。

「これが一般的な日本人の考え方だから」。社会の、今のありようが変わったら、国を捨てる人、この国にいたくないと思う人がいるらしい。そんな人たちが多数を占めるこの国を捨ててやりたい、こんな国になんかもういたくないと思わされてばかりだけれど、だからって出ていかなくちゃならないのは私ではない。そうだよね。隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ。なぜいつも、見る、のは自分の方だと信じて揺らがないの? 見られてる、のは自分の方かもしれないのに。見たくない。そんなあなたをこそ私は見たくない。嫌だ。あなたが隣に住んでいたら、私はものすごく嫌だ。

連載のアーカイブは以下のサイトにあり〼(一部有料)。

mainichi.jp