🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

📚同情も激賞も招かぬ語り方とは

イギル・ボラ著、矢澤浩子訳『きらめく拍手の音 手で話す人々とともに生きる』の書評を書きました。

https://book.asahi.com/article/14146874

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昨年、グカ・ハン著、原正人訳『砂漠が街に入りこんだ日』に推薦文を書かせてもらったご縁でおつきあいがあったリトルモアのTさんがボラさんの本をつくってる最中に私の『魯肉飯のさえずり』を読み、おんさんにボラさんを会わせなくちゃ! と直感して、そのおかげで私は素晴らしい出会いに恵まれました✨🙌✨

⤵︎はMASHING UP に掲載された代官山蔦屋書店でのトークイベントのレポートです。

https://www.mashingup.jp/2021/02/228017.html

ボラさんと交わした言葉の、最も大切な部分を掬いあげて、見事に構成してくださった田邉愛理さんに拍手👏

私たちを迎えるために新年早々丁寧にイベントにむけてご準備くださった蔦屋書店のみなさま、通訳をご担当くださった御三方、そして会場に足を運んでくださった矢澤浩子さん、斉藤道雄さんにもこの場を借りてあらためて感謝を😚

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なお、後日、リトルモアさんのnoteには当日のイベントの全記録がアップ予定!どうかこちらも楽しみにしてくださいね!(わたしがいちばんうれしい)

ボラさん、만나서 반갑웠어요、또 만나요🧡

 

 

📻ラジオ深夜便に出演します📻

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1月24日(日)午前4時05分~
NHKラジオ第1 ラジオ深夜便 
▽明日へのことば「“ふつう”って何だろう」というテーマで、アナウンサーの鎌倉千秋さんとお喋りをします。

https://www4.nhk.or.jp/shinyabin/

深夜便に、出演できる日が来るなんて。

2018年秋、NHKラジオ文芸館で私の短篇小説「被写体の幸福」を朗読してくださった鎌倉千秋さんが、私に会いたいと仰ってくださったおかげです💛🧡

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音声はこちら→https://nico.ms/sm34058219?ref=other_cap_off

鎌倉さんとのご縁に多謝🧡❤️

収録は昨年12月に行われたのですが、鎌倉さんとはほぼ初対面だったにもかかわらず、さながら敬愛する従姉と再会したかのごとく、尽きないお喋りに夢中になって、現場のディレクターさんやスタッフの方々に温かく見守られながら、あっというまに時間が過ぎました。差し入れのお菓子がわたしの大好きなブルボンの詰め合わせなのも幸せでした。

「魯肉飯のさえずり」の一部分も、著者みずから朗読させてもらいました🍚

ご興味を抱いてくださる皆々様、どうぞご注目くださいませ。聞き逃し配信もあるので、朝4時に起きられないよ〜という方もどうかご安心ください😋

https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/corners.html

 

 

 

 

 

 

 

📚二つの母語持つ「孤児」への道標

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田尻芳樹、秦邦生〈編〉『カズオ・イシグロと日本 幽霊から戦争責任まで』(水声社)の書評を書きました。

https://book.asahi.com/article/14092239

同時期に刊行されたヴォイチェフ・ドゥロンク著『カズオ・イシグロ 失われたものへの再訪 記憶・トラウマ・ノスタルジア』に詳しく触れられませんでしたが、この本を翻訳なさった三村尚央さんによる「『わたしたちが孤児だったころ』における故郷(ホーム)への違和感(アンビバレンス)と失われた母語」は、『カズオ・イシグロと日本 幽霊から戦争責任まで』に収録された数々の刺激的な論文の中でも、私が個人的に最も興奮しながら拝読した一篇でした。

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私も引き続き、自分と日本の関係を問いながら、日本語で経験しなかった記憶を日本語で記述するという試みを楽しみたいと思わせてくれる2冊と出会えてうれしかったです。2021年も、書評を書きながら学んでゆきます。

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本と共に生き延びる📚

朝日新聞12月26日朝刊「本と共に生き延びる」にて「今年の3点』として、

①アコーディオン弾きの息子(ベルナルド・アチャガ著、金子奈美訳、新潮社・3300円)
②優しい暴力の時代(チョン・イヒョン著、斎藤真理子訳、河出書房新社・2420円)
③ 荷を引く獣たち 動物の解放と障害者の解放(スナウラ・テイラー著、今津有梨訳、洛北出版・3080円)

を選ばせていただきました。

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https://book.asahi.com/article/14060682

4月に書評委員として着任以来、毎回、ほんとうに書きたくてたまらない本ばかり書かせてもらいました。白状すれば、書けるのなら書きたかったものの、私の読む速度と原稿をまとめる筆力がなかなか追いつかず、残念ながら書けずにいた本もけっこうあって、(新刊は刊行2ヶ月以内という制限が厳しくて…)、ほぞを噛んだことが何度も。派手に広告されてなくても、バーンっと平積みになってなくても、高い志のもと丁寧につくられた〈良い本〉はコツコツ刊行されてるんだなと実感、飛ぶようには売れなくても、少数の心ある読者を確実に勇気づける本を世におくりだす出版社さんや、著者や訳者の方々に敬服する機会も増えました。そのような良質な書物をもっと積極的に紹介してゆくためにも、筆力を研鑽せねば、と思ってます。

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2021年も書評委員、がんばります。小説も、もちろんよ♪

書評📚自分の正義は他者にも「誠実」か

カロリン・エムケ著、浅井晶子訳『イエスの意味はイエス、それから…』(みすず書房)の書評を書きました。担当編集者さんがつけてくれた「自分の正義は他者にも『誠実』か」という問いを忘れずにいたいです。

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https://book.asahi.com/article/13989878

エムケといえば、『憎しみに抗って 不純なものへの賛歌』というタイトルをはじめて見たとき、それだけでもう心躍ったことが忘れられません。

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浅井晶子さんによる端正な日本語をとおしてエムケの言葉と出会うたび、大多数の人たちの「基準」にあてはまらない、その意味で、はじめから立場の弱い者たちをますます孤立させるような言葉が平然とまかりとおる社会で、憎しみの奔流に呑み込まれないためには、だれかと安易に凭れ合うための言葉ではなく、孤独をおそれず、どんなに時間がかかったとしても、私自身の言葉によって「より精確に思索する」重要さを思い知らされます。

 

 

書評📚痛みをさらして届けられた言葉

吉野靫著『誰かの理想を生きられはしない とり残された者のためのトランスジェンダー史』(青土社)の書評を書きました。

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マイノリティが"叫び続ける"のは、そうしなければ生き延びられないためだ。一方、特別な労力を払わなくても生きていられる私たちがいる。私たちが想像力を働かせれば、マイノリティの労力は軽減する。

まずは

#トランスジェンダー について知ることから始めよう。

書評の全文はこちらから。

https://book.asahi.com/article/13927955

ささやかな声をあげることぐらいしかできないけれど、そうする意味がある限り、定期的に続けたいと思ってます。私は、#ともにあるためのフェミニズム をもっと学びたいし、#トランスジェンダーとともに ありたい。

だから #トランス女性の差別に反対します。

普通/普通じゃない、日本/非日本、親日/反日、本物/偽物……政治性を帯びた「根深い二元論」に惑わされながら、誰かの「理想」を生きることに反発しつつ自己を形成してきたという経験も手伝って、「本当の」男/女の間で刻々とただ生きる人たちが、不当な扱いを受ける状況にわたしはとても耐えられません。

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「あとから生まれてくる者たちのため」に『誰かの理想を生きられはしない とり残された者のためのトランスジェンダー史』を書いてくれた吉野靫さんに最大の敬意をこめて。

 

 

 

 

書評📚 顔料と色材が歩んできた歴史

『クロマトピア 色の世界 写真で巡る色彩と顔』の書評を書きました。

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めくったとたん、たちまち魅了された「色」の話。ショーン・タン『内なる町から来た話』も実にサイコーです。大好き。あと、森山至貴さん『あなたを閉じ込める「ずるい言葉」』の広告もあってなんだか頼もしい紙面でした。

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https://book.asahi.com/article/13886558