🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

💐李良枝のこと 5月22日に心を寄せて

5月22日は、わたしの最も敬愛する作家のお一人、李良枝さんの祥月命日です。

日本語はあなたのものでもある、と23歳のわたしを鼓舞した李良枝の小説「由熙」。24歳の誕生日にもらったこの全集とも、もう20年のお付き合い。次の20年も変わらず、わたしの書棚の特等席にはこの1冊にいて欲しい。

没後30年を記念して出版された『李良枝セレククション』(白水社、2022)に編者としてたずさわれた幸福の重みをあらためて噛み締めています。素晴らしい機会をわたしに授けてくださった白水社の杉本貴美代さん、出版の計画を申し出たところ姉への惜しみない愛を分かち合ってくださった李栄さん、生前のヤンジさんの理解者である李敏子さん、朴和子さんのご協力、そして李栄さんによる「没後三十年、あらためて姉ヤンジをたどる」が収録された講談社文芸文庫『石の聲 完全版』に併録されているヤンジさんのお手紙の受取人である天野敬子さんの、この企画への応援にも心から勇気づけられました。

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李良枝作品を切実に必要とする人びとの輪が、新世代へと、あたらしく広がってゆくのに心弾ませつつ。1992年に12歳だったわたしが李良枝愛読者としては年長者な方に、これからはきっとなってゆく🕊