🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

2021-01-01から1年間の記事一覧

この世界に文学は必要不可欠だ📚

朝日新聞12月25日朝刊「検索の果てに本の真価」にて「今年の3点』として、 ①『J・M・クッツェーと真実』(くぼたのぞみ著、白水社・2970円)②天路(リービ英雄著、講談社・1870円)③ 断絶(リン・マー著、藤井光訳、白水社・3740円) を選ばせていただきまし…

✍「私も日本人」日経新聞夕刊プロムナードより

今年の7月からはじまった「プロムナード」での連載、昨日(12・22)最終回を迎えました。「〈日本人〉の輪郭を問いなおすような連載にしたいですね」。最初の打ち合わせで、たちまち意気投合した担当記者のSさん。 www.nikkei.com 時にはご自身の個人的な体…

📸&📰毎日新聞デジタル部取材を受けました。

mainichi.jp 取材してくださった。塩田彩記者と話し合いながら、Twitterをやっていた約七年間の自分の感情の流れを直視できて本当によかったです。とても丁寧な取材に感謝いたします。またこの場を借りて、ツイートが’悪目立ち’するたび心乱してばかりいた私…

📚英語で紡ぐ 自分たちの側から

アルフィアン・サアット著、藤井光訳『マレー素描集』(書肆侃侃房)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14499643 華人の英語話者が中軸を担うシンガポールに生きる様々な境遇のマレー系住民の人生や生活の断片を軽やかな筆捌きで「素描」す…

🍏「日本語に住みついて」第9回が掲載されました

寒くなりましたね。みなさまが今あたたかい場所にいますように。さあ、2021年最後の「日本語に住みついて」です。9回めは「私の本 誰かの幸運に」。 本を、たくさん、すばやく読むのは不得意でも、本を好き、と堂々と思ってていいんだよね、な一篇です。今月…

✍エッセイ「見えない線」を書きました

詩人・石田瑞穂さんとその素敵な仲間たちが起ち上げた、日英バイリンガルによる国際ポエトリーサイト〝Crossing Lines〟に、エッセイ「見えない線」を寄せました medium.com 同サイトには木村友祐さんのエッセイ「赤に刻まれた傷」も! medium.com 木村さん…

📚なぜ読書で呼吸が整うのだろう

オルガ・トカルチュク著、小椋彩/久山宏一訳『やさしい語り手 ノーベル文学賞記念公演』(岩波書店)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14489550 「(トカルチュクの)境界への徹底的な懐疑は、テーマにおいても構造においても、〈中心〉(権…

🎙12/11(土)シンポジウム「国民文学の終焉:アメリカ文学の(再)世界化、世界の脱アメリカ化から考える」

12・11(土)午後2時~ シンポジウム「国民文学の終焉:アメリカ文学の(再)世界化、世界の脱アメリカ化から考える」に参加します。シンポジウムのもようは慶応大学三田キャンパスからZOOMで配信されます。 www.tokyo-als.org 温の発表タイトルは、英語圏チ…

🍏「日本語に住みついて」第8回が掲載されました

信濃毎日新聞「思索のノート」、8回めは「私の中の母語を呼び戻す」。 アゴタ・クリストフ自伝を読んで、思ったことを…… 毎月楽しみなきたしまたくやさんの挿画。どうしてだか私もクリストフといえば深い緑色のイメージだったので女の子の佇む丘の色に心惹…

📚ないことにされない、ないことにしない

ミッキ・ケンダル著、川村まゆみ訳『二重に差別される女たち ないことにされているブラック・ウーマンのフェミニズム』(DU BOOKS)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14480458 ケンダルは書く。「いい子に見られることには、何らかの価値…

✍️私のものではない国で

11・10(水)日経新聞夕刊、プロムナードに書きました。日本で選挙があるとその前後は毎回不安定な気持ちになる。でも今回はいつになく静かに過ごせた。なんでだろう?と思ったらTwitterやめたからだった。Twitterで、このコラムに書いたのと似たような内容を…

✍短篇小説「永遠年軽」を『群像2021年12月号』に寄せました

2021年11月6日発売『群像12月号』に短篇小説「永遠年軽(えいえんねんけい)」を寄せました。 gunzo.kodansha.co.jp 創刊75周年記念号の第三弾。「創作饗宴」の一席におじゃましました。この「宴」に加われて、なかなか喜ばしいです。 「群像」といえば、私…

🌷海外ルーツの子どもたちに、コロナ禍でも切れ目のない学びとつながりを🌷

「勉強」が、自分で自分自身を支える「言葉」を獲得する過程を存分に生きることなのだとすれば、この国で育ちつつあるすべての子どもが何の心配もせずに「勉強」を続けられる環境が保たれることを、私は常に心から望みます。そんな「現場」の一つである「YSC…

お礼💐「読書人カレッジ」@上智大学図書館🎙

はてなブログさん、今週のお題「読書の秋」、とのこと。折しもつい先日、私の「読書人」としての日々を喋ってきたところでした。そのご報告及び来場者の方々へのお礼がてら、この記事を投稿します。 10・22(金)17:20〜 上智大学図書館にて「読書人カレッジ」…

📚人生なぞった小説だと思うなよ

ジェニー・ザン著、小澤身和子訳『サワー・ハート』(河出書房新社)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14466211 「存在は無視するくせに、私たちのふりをする彼ら」。この一文に撃ち抜かれた瞬間から、ジェニー・ザンの小説を、願わくば、…

私の「履歴書」📚

「文字が、揺れ出す。音が、溢れてくる。木村さんとわたしのあいだではいつも、複数の異なるものが響き合う。あなたにも、わたしたちの聞きたかった声が、届きますように」。 温又柔×木村友祐往復書簡『私とあなたのあいだ いま、この国で生きるということ』…

📸&📖SWITCH INTERVIEW 「わたしの名前」

インタビュー・カルチャー・マガジン『SWITCH』にて、戌井昭人さんのロングインタビューうけました。戌井さんと話すのが楽しすぎて、子ども時代からのあれこれ、ここだけの話をたっぷり。写真撮影は、あの浅田政志さん‍‍‍‍‍サイコーに素敵な写真を撮ってくだ…

📰「学問と表現の自由を守る会」座談会、赤旗で取り上げられました

去る10・2、渋谷ロフトで行われた「学問と表現の自由を守る会」第1回座談会「あれから1年、私たちの自由は? そして社会は?」が しんぶん赤旗で記事になりました。 配信はこちらから聞けます↓ https://youtu.be/chpPvWCNvg0 Choose Life Projectさん、あり…

🍏「日本語に住みついて」第7回が掲載されました。

信濃毎日新聞「思索のノート」、7回めは、まいどおなじみの、"あの"質問をうけたときのこそばゆさについて。この名前を、ほこらしく思う理由について。 きたしまたくやさんの「家」が素敵。子どもの頃、こういうおうちに憧れたことを思い出します。 同じ紙面…

🎙読書人カレッジ@上智大学図書館

10・22(金)17:20〜 上智大学図書館にて、「読書人カレッジ」が催されます。上智大に通う大学生、大学院生のみなさんに、私がどんなふうに「読書」してきたのか、あれこれお喋りする予定。キーワードは「本は読めないものだから心配するな(管啓次郎)」。読破…

📚大衆文化に映り込む帝国の記憶

レオ・チン著、倉橋耕平監訳、趙相宇、永冨真梨、比護遥、輪島裕介訳『反日 東アジアにおける感情の政治』(人文書院)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14452075 個人的には、第4章 植民地時代へのノスタルジーまたはポストコロニアル時…

📚壁のあった街で問う 国境とは

ジェニー・エルペンベック著、浅井晶子訳『行く、行った、行ってしまった』(白水社)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14432775 カロリン・エムケを翻訳なさった浅井晶子さんによる訳者あとがきも必読。

🍎「日本語に住みついて」第6回が掲載されました

4月にはじまった信濃毎日新聞「思索のノート」は第6回め。幼い私が心弾ませたある"場所"について書きました。芳ばしい記憶をイメージさせるきたしまたくやさんの絵が素敵です。 今回はかけあしにて🏃‍♂️🌪

📚路上への想像力が救うのは自分

李玟萱著、橋本恭子訳、台湾芒草心慈善協会企画『私がホームレスだったころ』(白水社)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14417209

🍎「日本語に住みついて」第5回が掲載されました

信濃毎日新聞で連載中「思索のノート」第5回めの掲載紙が届きました。きたしまたくやさんが描いてくださった水平線がひたと沁み入ります。 令和3年の夏、インターネットには「東京五輪開会式の入場行進、チャイニーズタイペイ、が、台湾(たいわん)、とアナ…

📚「ニホンゴデキン」大多数だった

洪郁如著『誰の日本時代 ジェンダー・階層・帝国の台湾史』(法政大学出版局)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14407255 著者の言葉を、一人でも多くの「日本人」と分かち合いたい。 「〈もう一つの日本時代〉を提起することは、告発でも…

📚台湾庶民の哀歓 ユーモア交え

西田勝編訳『黄春明選集 溺死した老猫』(法政大学出版局)の書評を書きました。 https://book.asahi.com/article/14396735 紙幅が足らず内容に言及できませんでしたが、本書に収録されてるインタビューがたいへん充実してます。 とりわけ、14歳の黄春明が書い…

🍎「日本語に住みついて」第4回が掲載されました

きたしまたくやさんがどんなイラストを描いてくださるのか毎月楽しみな信濃毎日新聞「思索のノート」第4回めの掲載紙が届きました 前回のわたしの原稿を読んでくださった編集者Iさんがクシシュトフ・ キェシロフスキ監督『ふたりのベロニカ』を思い出したと…

✍️日経新聞夕刊プロムナード

この7月より日本経済新聞の夕刊「プロムナード」の水曜日分の執筆を担当します。 初回は7月8日です。 これから、約半年間、毎週水曜日、どうぞよろしくお願いします🕊

📚 越境が生んだ特権の禍々しい光

松田ヒロ子著『沖縄の植民地的近代 台湾へ渡った人びとの帝国主義的キャリア』(世界思想社)の書評を書きました。パイワン族と石垣島の刺青の模様をあしらったカバーや、タイトルの字体が味わい深くて、うつくしい佇まいの本です。 https://book.asahi.com/ar…