イ・ミンギョン著、小山内園子・すんみ訳『失われた賃金を求めて』(タバブックス)の書評を書きました。
https://book.asahi.com/article/14332004
イ・ミンギョンさんといえば『私たちにことばが必要だ フェミニストは黙らない』。「望まないやりとりははじめから断って、闘うなら既存の態度から脱して有利なポジションを先制する術」を獲得するための志と、その具体的な方法を教えてくれるこの本は、わかろうという努力すらしようとしていない相手を説得するためのことばを懸命に模索する義務が自分にはあると長い間思い込まされてきた私のバイブルの一つとなってます。
『失われた賃金を求めて』は、ただのお金の話にとどまらず、女性が知らずしらず背負いこんでる「感情労働」や「着飾り労働」、「治安」を死守するためにかかるコストも含めた男性との不均衡に斬り込んでいます。
書評では紙幅のため触れられずにいましたが、西口想さんによる解説「日本で、女性がもっと受け取れるはずだった賃金の金額を求めよ」も含めて、多くの方に読んでほしい一冊!
『私たちにことばが必要だ』に続き、本書も小山内園子さん、すんみさんによる翻訳。やはりこのおふたりが手がけたチョ・ナムジュ『彼女の名前は』(筑摩書房)もまた、「匿名の女性たちがそれぞれの人生でつかみとってきた洞察、知識の集合」(イ・ミンギョン)が、物語のかたちで差し出された現代の必読書だなとあらためて🤝💐🤝💐🤝