アルフィアン・サアット著、藤井光訳『マレー素描集』(書肆侃侃房)の書評を書きました。
https://book.asahi.com/article/14499643
華人の英語話者が中軸を担うシンガポールに生きる様々な境遇のマレー系住民の人生や生活の断片を軽やかな筆捌きで「素描」する珠玉の掌篇小説集。著者の、華人をはじめとしたその他の集団の間に生じる格差は言うまでもなく、マレー人同士の間の境遇格差をも巧みに表現するという覚悟と、それを見事に実現しているふくよかな表現力に、同時代、同世代の一作家としては、あかるい嫉妬を燃やさずにいられません。訳者の日本語が素晴らしいおかげです👏💐