🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

「住むの風景 Scenes of New Habitations」について。

東京シティエアターミナルの歩道橋にて。撮影・朝岡英輔

2021年10月から、「住むの風景 Scenes of New Habitations」というプロジェクトの一環である「四十年目の都市」に参加中。東京モノレール沿線の整備場駅箱崎町東京シティエアターミナル、横浜D埠頭所在・横浜港シンボルタワー、恵比寿などを散策しながら、「風景の中の記憶」と「記憶の中の風景」をめぐって、あれこれ思索中。さながら、フラヌール(遊歩者)の心地で、フラヌールだけに、フラフラと。仲間たちとの散歩とおしゃべりという、遊びの延長上のような活動ではありますが、「リサーチ」を重ねるたびに、自分のものではないらしいこの国で、自分のものでしかないはずの記憶に揺さぶられます。

生年月日はむろん、生誕地や、その後、どこで幼少期や思春期、青年期に至るまでの日々を送るのか、完全に自分だけの意思で選ぶことは、誰にとってもほぼ不可能に近い。そのことをつよく意識しながらの、私のいた「東京」、「私」がいなかったかもしれない「東京」の「風景」をめぐって精一杯想像力を働かせるための「遊歩」。この「遊歩」の積み重ねが、何に結実するかは未知数ですが、とにかく考えるという行為を今は思いきり楽しんでいます。その「途中経過」としての私たちのメモや写真、こちらのウェブサイトにあります。

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英語、中国語による翻訳もあります。そんな「住むの風景」とは、「この先の〈住む〉を想像するため」に、アートと建築の分野などで編集及びプロジェクトのマネジメントを行ってきた柴原聡子が起ちあげた”プラットフォーム”です。

「住むの風景」では、私(たち)が参加する「四十年目の都市」のほかに、『あわいゆくころーー陸前高田、震災後を生きる』(晶文社、2019)の著者でもある瀬尾夏美さんと建築家の小林恵吾さんを中心に、陸前高田市丸森町岡山県真備町と北海道奥尻島という四つの地域を軸に「被災後を生きる」というプロジェクトなども、ゆっくりと進められています。

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これまでの40年(〜)と、これからの40年(〜)。私たちの「現在地」を挟む、「過去」と「未来」における、「住む」の風景を思索するプロジェクト「住むの風景 Scenes of New Habitations」。ゆっくり、しっかり、とにかく気長にものを考え続けるための、この”プラットフォーム”。あなたもご関心を寄せてくださるなら嬉しいです。

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