🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

「言葉の居場所を探して」@大阪大学グローバル日本学教育研究拠点

今週末、大阪大学グローバル日本学教育研究拠点「在日コリアン文学の国際研究ネットワーク構築」主催のシンポジウムが開かれます。私は「キーノートスピーチ」という大変光栄な役を担わせていただきます。

李良枝さんについては今までもあちこちでよくしゃべってきたけれど、今回は格別なのです。何しろ、昨年刊行した『李良枝セレクション』の編者として、そして、「由熙」があったからこそ「好去好来歌」を書くことができて、そこを起点に、一作、また一作と、どうにか自分の本を十数年書き続けてきた一人の作家として、お声をかけてもらったのですから……李良枝は1992年に37歳で急逝しています。同年、李良枝に「(小説を)書きなよ、書いて治めるしかない」と勧めた中上健次やはり46歳の若さで亡くなっています。つまり2022年である昨年は、李良枝と中上健次の没後30年という年でもありました。この記念すべき年に中上健次論』(インスクリプト、2022)という大著を上梓なさった渡邊英理さんが「温又柔と李良枝について話したい」と願ってくださったおかげで、今回のシンポジウムは企画されました。そんな渡邊さん、日本国内にとどまらず、世界各地で李良枝を読んでいる研究者の方々との「交流」の機会まで設けてくださいました。とても楽しみです。ニコラス・ランブレクトさん、宇野田尚哉さんらのご協力もあって、いよいよこの週末に控える私たちの「お祭り」、楽しい予感でいっぱいです。

鞄が、重くなりそうだ……

とにかくまずは、「キーノートスピーチ」いっしょうけんめい、喋ります。自分に、正直に。会場に来てくださるご予定の方々、お目にかかれるのを楽しみにしております。配信でご視聴くださる皆さまからも「見守られている」と信じて、胸を弾ませます。