🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

さよなら、2019年。親愛なる愛読者の皆様に感謝を込めて。

2019年は、憧れのよりみちパン!セシリーズで『「国語」から旅立って』(新曜社)を上梓し、10代向けのエッセイを書きたいという夢を最良の形で叶えることができました。たった今この瞬間もわたし、「日本人のふりをやめることで自分を取り戻したわたしという存在によって、「国語」に囚われることのない自分のニホン語を獲得してやる、と鼓舞される子どもが次々とあらわれてほしい」と祈ってます。

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また、平成から令和に改元される春、"文芸再起動"の文字が力強く頼もしい『文藝2019夏号』の「天皇・平成・文学」特集の一環として、1945年を境に昭和ではなくなったかつての"日本"を意識しながら書いた中篇小説「君の代と国々の歌」を発表できたことも、自分にとっては最良のタイミングで、とてもうれしかった。

(古谷田奈月さんの「神前酔狂宴」と同号掲載なのが誇らしい!)

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昨年に引き続き、あたらしい本や作品を刊行・発表するたび、大学や高校などで教鞭をとる方々をはじめ、各書店や図書館、ほかのさまざまな機関などにいらっしゃる方々が、わたしという書き手に注目し、積極的にご紹介くださる場面が増えつつあるのを感じます。自分はつくづく幸運な作家だなと思うばかり。おかげでわたしは、自分の本を、そこにあることばを、丸ごとではなくとも、むしろ断片的にでも、切実に必要としてくれるであろう"あの子"に宛てて書くことに安心して精一杯でいられます。

年の瀬という節目に、あらためて心から感謝をこめて💛

というわけで、2020年はモアベターよ@小森のオバちゃま。

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「魯肉飯のさえずり」現在、鋭意進行中!

 

台湾で、『機場時光』刊行記念ツアーします✈︎

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🛫11月は、台湾にて数カ所、『空港時光』こと『機場時光』刊行記念のトークイベントおよび講演をいたします🛬

限られた日程ながらも敬愛する友人たちのご尽力のおかげで、台北にとどまらず、高雄と台南にもお招きいただけたのがとてもしあわせ。南にお住まいの方々とも交流できることが心底楽しみです。

 

① 11月3日(日) 15:00〜16:00 誠品高雄大遠一百店17F書區中庭

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https://www.facebook.com/events/423473985036437??ti=ia

高雄在住の友人❤︎謝惠貞さんが通訳をつとめてくれます。

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②11月5日(火) 15:30〜17:20 臺灣大學

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https://japan.ntu.edu.tw/ch/newsdata?id=412&fbclid=IwAR1JuQhLXzj_6mvfeRksK_JR333OJhTXvAirOQn4BBfvz3QIDbLiyw218wQ

主催者さまからのメッセージ→

【温又柔さん講演会の教室変更のお知らせ】
変更後の教室は、新生大樓303の大教室です。MRT公館駅3番出口→台湾大学正門→椰林大道→図書館前の広場で左折→小椰林大道を途中曲がらずに前進→左手にあるコンクリート色の建物(右手に古い女子宿舎)駅出口から歩いて15分ぐらいかかりますので、お時間に余裕を持ってお出かけください。前の授業の関係で、ご入場は15:15以降となります。よろしくお願いします。申し込みに間に合わなかった方の当日参加も大歓迎です💖

 

③11月7日(木) 15:00〜17:00 成功大学

台南では、『機場時光』の訳者黄耀進さんと登壇します。なんとこちらでは、わたしと黄さんの日本語による対話を台湾語に通訳してくださるご予定とか! 忘れられない経験の予感です。

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④11月8日(金) 13:00〜15:00 淡江大学

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淡水は、母方の祖母、叔母たちが暮らす私にとっては台湾でもっとも親しみのある町のひとつ。いつもわたしを温かく迎えてくださる淡江大学にまた"帰る"ことができて、すごくうれしい。

http://enroll.tku.edu.tw/course.aspx?cid=20191108&fbclid=IwAR1qmFkKZaZwGQqWUB9WdnDaU2uBylYtcP6QY68Sf6vMTiUHSRDYAY4ZfoM

 

⑤そしてそして。最後となる11月9日土曜日は、昨年『ここにいる』(白水社)が倉本知明さんのすばらしい訳で翻訳刊行された台湾現代文学の重鎮、王聡威さん✨とのトーク台北市内の誠品書店で!詳細は情報が届き次第、更新します。

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写真は2017年11月に東京大学で行われた台湾日本作家会議で王聡威さん(右端)と登壇した際の一枚。にっしょうきとせいてんはくじつまんちこうき、のミニ旗が非常に落ち着かなかった台湾うまれ日本語育ちでした…それはさておき、出発地であり到着地でもある空港を舞台に、日本と台湾の間で揺らぐ心境を表現したくて書いた『空港時光』(『機場時光』)をたずさえて、ほかでもない台湾の方々に会いにゆける日が近づきつつあり、そわそわしてます。このそわそわした"空港的浮遊感"を楽しみます。

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(月刊AIRLINE 2018年9月号より。飛行機の専門誌が『空港時光』に注目してくださっていると知ったときの喜びときたら…🛫)

 

親愛的大家,See you soon!

 

 

『空港時光』の台湾繁体字版が翻訳刊行されました🛫

『空港時光』(河出書房新社)が『機場時光』となって台湾で翻訳・刊行されました。くうこう、は、kōng gǎng、ではなく、きじょう、jīchǎng、となってるのがとても気に入っています。中国語が読める方には、ぜひとも原文と照らし合わせながら、漢字でゆるやかに結びつく日本語と中国語の間を行き来する浮遊感をあじわってもらえたらうれしいです。また、台湾に旅行・滞在中の方、本屋さんで探してみることを楽しんでいただければ!

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https://www.books.com.tw/products/0010836194

これまでも、自著が、自分にとってほかでもない台湾で翻訳・刊行されるたび、とても嬉しかったのだけど、東京羽田空港台北松山空港が舞台の、この『空港時光』が台湾の読者にも読まれると思うと、特に特に感慨深い。訳者は、『台湾生まれ 日本語育ち』を『我在日語』に翻訳してくださった我が盟友・黄耀進。王聡威さん、陳又津さん、張維中さんといった現代台湾を代表する作家をはじめ、敬愛する方々がご推薦くださっているのも大変光栄です。なんてホオミャアな台湾生まれ日本語作家でしょう。

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訳者あとがき及び台湾の読者に宛てた原作者の序文付き。台湾のブックサイトで、日本文學、と紹介されているのもうれしい。同サイトには、江南亜美子さん、都甲幸治さんによる書評の一部が繁体字に訳されてます。お二方の『空港時光』への温かなおことばが海を越えて台湾の読者に届くのがすごくうれしい。

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考えてみたら原作も最高の装丁だったし、わたしときたらまったく、なんとホオミャアな台湾生まれ日本語育ちの作家でしょう(本日、2度め)

 

以下、黄耀進に翻訳してもらった中国語でも告知!中国語圏のお知り合いにご宣伝ください😁✨


《空港時光》(河出書房新社)在台灣翻譯出版,10/15,變身為《機場時光》展開旅程(發售)了。


一直以來,對我而言自己的作品能在台灣翻譯、出版都感到非常高興,而想到這本以東京羽田機場⇄台北松山機場為舞台的《機場時光》也能呈現給台灣讀者,心中感慨特別深。


這次的譯者是我的盟友-黄 耀進。


能得到包括王聰威、陳又津、張維中等諸位我所尊敬的作家們聯手推薦,讓我倍感榮幸。


我真是一個「ho-mia」(幸福)的,生於台灣的日語作家呀。✨

 

信田さよ子さんと「母」と「国家」をめぐって対談しました。

「母」と「国家」をめぐる信田さよ子さんとの対談、後篇です。

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「家族」と「国家」は連携し、共謀する | 信田さよ子+温又柔「『母』と『国家』」 | webマガジン クラルスclarus

https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/2368

 

前篇はこちらから!

前編:「母」は国家における中間管理職である | 信田さよ子+温又柔「『母』と『国家』」 | webマガジン クラルスclarus

https://clarus.shin-yo-sha.co.jp/posts/2183

 

10月は、虎ノ門と荻窪で!

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 いま、このくにで、"台湾"という源を授かった者として日本語を書き、読まれ、また書き継ぐということについて、あいかわらず日々考え続けています。そんな私の喋ることが、ほかのだれかにとって少しでもおもしろいところがあるのなら…私はよろこんで喋り続けます。

虎ノ門荻窪で会いましょう🦔

 

❶2019年10月20日(日)14時〜 @台北駐日文化代表処台湾文化センター

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講演「私の言葉を求めてー日本語圏で書く『新しい』台湾人として」。あまりなつかしくはなく、とりたててやさしくもない、ややこしくっておもしろい台湾と私の関係史をたのしく話します🔥

詳細は→

http://www.taiwankyokai.or.jp/news/1275.html

 

❷ 2019年10月25日(金)19時半〜 @本屋Title

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仲俣暁生さんがホストを務める連続トーク「21世紀に書かれた百年の名著を読む」第3回のゲストとして、ジュンパ・ラヒリ『その名にちなんで』を読みます。愛する小説を、どんなふうに愛しているのか思い切り語らう機会に恵まれた喜びでいっぱいです💛

詳細は→

https://www.title-books.com/event/6849

9月の、神保町で会いましょう。

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9/5(木) 19:00~ 『本屋がアジアをつなぐ』(ころから)刊行記念石橋毅史さん×温又柔トーク&サイン会「本屋が町の自由を支える!?」 | 東京堂書店

http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?p=19476

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2019年9月7日(土)18:00〜

旅立つことば リービ英雄さん×温又柔 トークイベント | 神保町ブックセンター

https://bilingual-kokugo.peatix.com/

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AKI INOMATA個展「Significant Otherness(シグニフィカント・アザネス)生きものと私が出会うとき」@十和田市現代美術館で、9月15日、朗読ライブ「溶け合う、溶け出す」

殻を引っ越してゆく習性をもつやどかりに、世界の都市のミニチュアをかたどった「やど」を提供するプロジェクト、《やどかりに「やど」をわたしてみる》。

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白水社ウェブサイトで連載していたエッセイを一冊にまとめるための準備をしていた2015年、AKI INOMATAの「やどかり」とめぐりあって感銘をうけました。わたしの初のエッセイ集が、これ以上のものはないすばらしい装幀にめぐまれたのは、AKIさんと出会えたおかげです。

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そんなAKIさんの国内初となる個展「Significant Otherness(シグニフィカント・アザネス)生きものと私が出会うとき」が、いよいよ9月14日からはじまります。オープニングを祝福するべく、9月15日、伊藤豊氏とともに朗読ライブ「溶け合う、溶け出す」をおこないます。

Towada Art Center

http://towadaartcenter.com/events/inomata_opening/

 

重要な他者性、を意味する、シグニフィカント・アザネス、ということばを軸に、地球上に生きる生物種の共生関係を問いかけてくるAKIINOMATAの世界と、そこでしか奏でられないであろうわたしたちの朗読パフォーマンスを…

ぜひ、見に聴きに来てください。

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当日は、小島ケイタニーラブも"声"だけで出演予定!ponto×AKI INOMATAが"溶け合い、溶け出す"ひとときを、ぜひお楽しみくださいませ。

ちなみにわたくしは2016年末に八戸ブックセンターへおじゃまして以来、ひさしぶりに青森に行けるのがすごくうれしくもあるのです🥰

11.土地と声をめぐって――台湾系ニホン語人はいつまでも揺れている―― | 

https://www.wochikochi.jp/serialessay/2016/12/japanophone11.php