🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

✍短篇小説「永遠年軽」を『群像2021年12月号』に寄せました

f:id:wenyuju:20211107112623j:plain

2021年11月6日発売『群像12月号』に短篇小説「永遠年軽(えいえんねんけい)」を寄せました。

gunzo.kodansha.co.jp

創刊75周年記念号の第三弾。「創作饗宴」の一席におじゃましました。この「宴」に加われて、なかなか喜ばしいです。

f:id:wenyuju:20211107113522j:plain

「群像」といえば、私にとっては何よりもまず作家・李良枝を育んだ雑誌。李良枝が教えてくれたことばの杖を支えに日本語圏の台湾人として書く日々を重ねてきました。思えば私は29歳でデビュー以来、10代の終わりからせいぜい20代半ばぐらいまでの自分自身が、うまれたあの国と育ったこの国の間で何を感じてきたのかばかりを執拗に考え続け、ありとあらゆる角度からそのことを追究するために小説やエッセイを書くことで30代のすべてを費やしたようなものでした。でも、この短篇は、たった37歳でこの世を去らざるを得なかった李良枝が生きられなかった40代になった今だからこそ、たぶん書くことができたもの。私もいいかげん大人になれるかな。

f:id:wenyuju:20211107121125j:plain

1980年生まれの彼女と彼と彼女と私のこの「20年」に、乾杯!