『魯肉飯のさえずり』の文庫本が2023/08/22発売されました。
私にとって、初めての長篇小説です。
私にとって、初めての文庫本でもあります。
単行本に続き、2月に刊行した散文集『私のものではない国で』の装幀も手がけてくださった鈴木久美さんによる文庫版『魯肉飯のさえずり』もとっても可愛い。装画を快くご提供くださった画家・山本真澄さんには感謝しかありません。この絵に恵まれた私の本は最高に幸せものです。
加藤陽子先生が、とても素晴らしい推薦文を寄せてくださいました。
解説は、『中上健次論』で第14回表象文化論学会学会賞を受賞なさったばかりの渡邊英理さんがお書きくださいました。
『図書新聞』(2020年11月28日)に掲載された『魯肉飯のさえずり』評にたいへん勇気づけられたため、文庫本の解説をお願いしたくて渡邊さんにご連絡したら、なんとちょうど渡邊さんは『私のものではない国で』の書評を週刊金曜日の編集部に提出したばかりとのお返事。「『それ以外』として生きる『わたし/たち』のための言葉」と題されたこちらの文章にも、とてもとても励まされました。
加藤陽子さんと渡邊英理さんをはじめ、単行本刊行以来、「魯肉飯のさえずり」というちょっとヘンテコなタイトルのこの作品に目をとめ、頁をめくり、書評や紹介記事を書いてくださったり、ご自身の著書の中で引用してくださったり、大学や高校の授業で学生たちにご紹介くださったり、全国各地の書店さんはもちろん、図書館、図書室などで積極的に「推し」てくださったり、とにかく私が書いた小説をいいものだと感じて広めてくださるたくさんの方々のおかげで、「魯肉飯のさえずり」はめでたくも文庫化に至りました。この場を借りて、私のこの小説を、たった一度でも愛おしんでくださったことのある親愛なる皆々様に感謝いたします🍚
……そして、ここからは自分のための忘備録的に記します。初めての文庫本の発売日に、春からずっと取り組んでいた原稿を一つ書きあげました。これから磨きをかけるので、日の目を見るのはもっと先になるかもしれませんが・・・とにかく書きたい小説を一篇また一篇と書く日々を今もまだなんとか保っていられる幸福を噛み締めつつ。