🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

📚大衆文化に映り込む帝国の記憶

レオ・チン著、倉橋耕平監訳、趙相宇、永冨真梨、比護遥、輪島裕介訳『反日 東アジアにおける感情の政治』(人文書院)の書評を書きました。

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https://book.asahi.com/article/14452075

個人的には、第4章 植民地時代へのノスタルジーまたはポストコロニアル時代の不安--「光復」と「敗北」のはざまにいるドーサン世代 を「台湾に生まれ、日本で育った」著者のレオ・チンが「日本から遠く離れたアメリカ」で英語で書いたことの意味、それがついに日本語へと翻訳されて、いま日本にいる自分が受け取っていることの意味と、その重みを、ひしひしと感じて、胸が張り裂けそうな読書経験となりました。そして、再読したくなる本がたくさん浮かんできました。

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大切なことなので自戒を込めて繰り返し宣言します。

私は常に自分が〈正しい〉とは思いません。むしろ、歴史をを捉える自分の素朴なまなざしに対してなるべく懐疑心を持つようにしています。それが歴史を多角的に学ぶ基本的な態度であると信じているからです。私はこれからも学び続けます。その過程で、自分の歴史認識を〈更新〉する必要があると判断したなら、喜んでそうします。ただし、おまえは正しくない、と頭ごなしに言われたのなら、私は私が信じる〈正しさ〉の風どおしを守るために、私にそのような態度をとる相手の凝り固まった歴史観、世界観をかち割る行動を起こす可能性もあります。