🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

イベント「〈普通ではない〉ことが〈普通〉になるように」感謝&アーカイブ配信のお知らせ

去る3・21(火・祝)、午前10時少し前。東京・三鷹の本屋&珈琲「UNITÉ」さんのカウンターには、私の著書がずらり!

日が沈んでからの外出はできれば控えて夜はなるべく家でのんびりしていたい、という私の希望(我儘)で、前回(3・4)に続き、今回もUNITÉ」さんの営業開始前に『私のものではない国で』刊行記念イベントをしてもらいました。祝日の、きっと朝寝坊していたい時間帯にも関わらず、この日も店内は満席。すっかり「笑咪咪(ニコニコ顔)」になってしまった温です。ご来店くださった皆々様、あらためてありがとうございました。画面越しにリアルタイムでご視聴くださった方々にも感謝を込めて。

店主・大森さんのTwitterより。よく笑ってるなあ、私たち!

書くこと、読むこと。私やあなたがそれぞれ隣り合うこの世界をよく見つめることなどをめぐって、あれこれ喋りました。聞き手をつとめてくださるはずだった店主の大森さんがご自身の話を積極的になさるので、私のほうがもっと丁寧に耳を傾けなければ、と思った瞬間も何度か。そんな大森さん、よほど話したいことがあったようで、私は実を言えばもう一篇、朗読したいなぁなんて思ってましたがそうする余裕もなく、あっというまに1時間半が過ぎました!

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書くことがあって羨ましい、とよく言われます。考えてみれば私は、昔々からずっと、書くことや、お話を作ることが大好きだったし、自分はそうするのが得意なのだと信じていたのですが、実を言えばそれは、現実の世界であまり理想的とはいえない自分の人生をなんとか肯定したい一心だったという影響がすごく大きい。要するにある時期までの私は、自分が書くものの中に、他でもない自分にとって、現実よりも望ましい自分の姿を焼き付けることこそ、ものを書く最大の目的にしていたっけなぁ、と久々に思い出させられました……私をまるごと理解して、私をそのまま認めて、私が何をしようと決して否定しないで……今も私はしょっちゅう自分に言い聞かせています。甘えるな。ただ単に自己承認欲求を満たすのが目的なら、書くのなんかやめちまえ。溺れるな。自分には他の人と比べて書くべきことがある、というだけで。自惚れるな。読むに耐える水準のものをまずは書いてみせろ、話はそれからだ。そう、話はいつもそれからなのです。それに私はとっくのとうに気付かされました。自分や自分たちにとってのみ居心地の良い世界を保持するために書くことほど恥ずかしい行為はないのだと。「作家は存在しない世界を想像する前に、現実の世界を観察しなければならない」(ジュンパ・ラヒリ)。自分も何かを書いてみたい。そのために、見る、ということを大切にしたい。大森さんがそう話すのを聞きながら、私はラヒリの言葉を連想していました。何かを書きたければ、見ることから始めなければならない。いつだって、話はそこからなのだ。というわけで、私たちの「お話」にお付き合いくださった皆々様、心からありがとうございました!冒頭で、「わたしの名前は導火線」を朗読させてもらえたことも嬉しかったです。

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……それにしても、本を1冊、また1冊と出してもらって、私の本を読んで、私の話を聞いてみたいと望んでくださる方々とお会いする機会に恵まれるたび、自分が書くものは”読むに耐える”水準にとりあえずは達していると安堵します……少し時間はかかるだろうけれど、きっとまた「次」がありますように!私次第!
ちなみに同じく「UNITÉ」さんでのきたしまたくやさん+小島ケイタニーラブさんとのイベント「日本語に住みついて」のアーカイブ配信もまだ購入視聴可能です♪

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