🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

✏️「日本語のなかの何処かへ」最終回を迎えました。

昨年3月に全12回の予定でスタートしたエッセイ「日本語のなかの何処かへ」。現在発売中『世界2024年2月号』に、無事、最終回が掲載されました。

毎月、趙文欣さんが描き下ろしてくださるイラストに勇気づけられた1年間でした。趙文欣さん、この場を借りて改めて心からの感謝と敬意を💐

「日本語のなかの何処かへ」と題して、書き始めたこのエッセイ。回を重ねながら、グロリア・アンサルドゥーアや李良枝に触発されながら、「国語」の呪縛から懸命に逃れて、たった一つの私のものではない「日本語」との新しい関係を模索していた約20年前の頃の、今よりもはるかに不安定で、危なっかしい自分が、いつも身近にいる気がしました。私は、この時期のことを書けば書くほど、記憶が更新され、まだ書き得ていない領域の気配を感じずにいられないようなのです。未知の私との再会を重ねるこの行為が、単なるノスタルジックな追想、単なる自己模倣の縮小再生産に陥ってませんように、と願うばかり。1年に亘ってお読みくださった皆々様、ほんとうにありがとうございました。次は、長篇小説を書きます。日の目を見るまで何年かかるかわかりませんが、そっと、忘れた頃にはきっと。どうか楽しみにしていてくださいね🌱