🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

✍️『文学2022』(日本文藝家協会編、講談社刊)に「永遠年軽」が収録されました

昨年12月号「群像」で発表した短篇小説「永遠年軽(えいえんねんけい)が、日本文藝家協会選『文学2022』に収録されました。

bookclub.kodansha.co.jp

「創作饗宴」と銘打たれた雑誌掲載時も嬉しかったですが、帆足英里子さんの装幀によるこのアンソロジーに加われた今もすごく嬉しいです。自作が色々な形で読まれるのも書く喜びの一つだなとしみじみ。

デビュー以来「20歳」前後の主人公ばかり書いていた私が、2020年代に入り40代を迎えたからこそ書いておきたくなった一作。磯崎憲一郎さんによる解説と併せて、『文学2022』でも「永遠年軽」を楽しんでもらえると嬉しい限りです

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📹つるみ読書講演会「ニホン語に住む私たち〜台湾生まれの私の場合」

去る2022年2月、横浜市立図書館開館100周年記念の一環として鶴見図書館からお招きを受けて、「ニホン語に住む私たち」と題した講演をしました。コロナの感染拡大を踏まえて区民の方々を対面で受け入れるのは叶わなかったのですが、録画を通して後日配信すると言う形式でなんとか講演を実施しました!当日は関係者各位から温かく迎えられて、カメラの向こうの区民の方々を想像しながら楽しくおしゃべりをするという、とても貴重な一日を過ごしました。そしてこの度、その時の「講演録」が収録されたDVDが私のもとに……🕊

この講演録は鶴見区のホームページでどなたでも無料で見られるとのこと……ご興味ある方は、ぜひ温のおしゃべりにお付き合いくださいませ(自分で見るのは照れくさくて私自身はなかなか再生できずにいますが)。

www.city.yokohama.lg.jp

鶴見図書館をはじめ、全国各地の図書館や書店さん、本と人々とを結びつけるまさに「現場」で働く方々が、私の本をこれから必要としてくださるかもしれない未来の読者との架け橋となってくださっていることを実感するたび、書くことと向かい合うときの孤独をはるかに上回る優しくてつよい力が心身に沁み渡るのを感じます。さあ、どんどん書くよー✏︎

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さて、そんな温又柔。そろそろ新しい本が出せそうです。発売日などが正式に決定次第、またこちらでご報告いたします。どうか、楽しみになさってくださいね📚

「誕生日寄付」、感謝を込めて。そして、ケイン樹里安さんのこと。

ご報告が大変遅くなってごめんなさい。5月16日、「バースデー・ドネーション」が終了しました。42歳の誕生日にちなんで目標額を42000円に設定しましたがとてもありがたいことに5月14日中には目標に達し、「ストレッチゴール」として第2の目標額を55555円としました。最終的にはそれも大幅に上回る63206円が集まりました。私へのお誕生祝いという形での「寄付」にご協力くださった計26名の方々のおかげです。お寄せくださったメッセージ、一つひとつに心が温められて、幸せな「お誕生日期間」となりました。Synacableのウェブ上で引き続きお一人おひとりにお返事を書くつもりですので、何卒、もう少々お待ちくださいませ。

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「日本語の住人がみんな幸せでいられますように」。私の願いに共鳴し、「寄付」という形でお力を貸してくださった26名の方々のおかげで、自分は微力ではあっても決して無力ではないのだな、と改めて確信しています。「NPO法人 青少年自立援助センター YSCグローバル・スクール」の代表、田中宝紀さんはおっしゃいます。
「海外にルーツを持つ子どもたちは、『お前は普通じゃない』という声に出会うと、『普通ってなんだろう?』と考える前に、普通じゃない自分をなんとかしようと親を恨む方向に行きやすい。それを『そうじゃないよ』と言って支えてくれる学校の先生とか、日本語ボランティアに出会えることは大きい」。

だからこそ、学校の先生、あるいはボランティアさんとしてではなくても、私たちの一人ひとりが、自分は自分のままでいいんだ、とそんな子どもたちに対して感じさせてあげられるといいなあとつくづく思います。

2020年2月15日、曽根崎新地にて。

「普通ってなんだろう?」 ずっとそう問い続けて、境界線上の子どもたちがあるがままの自分を受容する道筋の模索や、社会の不均衡に気づかずにいられるマジョリティこそが、自分たちにとっての「普通」の形を積極的に問い直すことで、人と人とが風どおしの良い関係を築けるようにと、社会学の知識を総動員して言葉を尽くしてきたケイン樹里安さん。

「バースデー・ドネーション」の最終日午後、かれと親しかった栢木清吾さんがその訃報を知らせてくださいました。
ケインさんとは私、数えてみたら実際にお目にかかったのはたった2度のみ。それでも、大阪で栢木さんが引き合わせて念願の初対面を果たした時はお互いに「初めて会う気がしない」と大いに笑い合いました。昨年12月にお会いした別れ際も「超楽しかった。これからはもっと頻繁に会おうね」と言って別れたのに。正直言って、今はまだ寂しくてたまりません。ツイッターのプロフィール画面に「明記」するほどコカ・コーラと唐揚げが大好きだったケインさん。かれが「燃料」と呼んだコーラと唐揚げでお腹を満たして、今日も、仕事、頑張ります。明日も、明後日も、これからも。これからもずっと、ケインさんならどんなふうに読んでくれるかな? と想像しながら、「普通」ってなんだろう? と問う小説やエッセイを書き続けます。ケインさんがずっとそのことに尽力してきたように、自らは「普通」なのだと一切疑わずにこられた人たちに宛てて自分の言葉を磨きます。境界線上の子どもだった一人として。日本語の住人として。このドネーションの核心にある私の祈りも、ケインさんがやられてこられたお仕事の本質とまったく無縁ではないと信じて、この場を借りて。

🌷誕生日寄付(バースデードネーション)のお願い🌷

1980年5月14日の台湾・台北で生まれて、3歳の頃に日本・東京に住み着き、それからず〜っと日本語で笑って泣いて怒ってまた笑ってたくさん笑って月日は流れて、本日で42歳の誕生日を迎えます。今年も外国にルーツをもつ子どもたちと異国で子育て中のオカアサンたちが日本で安心して暮らすためのご活動をする方々のためにバースデードネーションをします🌷

2019年、台北の路地にて。撮影・黄耀進

詳しくは、こちらを↓

syncable.biz

どうぞよろしくお願いいたします(拡散希望🌷)

✎新連載「日本語の住人として」はじまります。

毎日新聞「文化の森」にて新連載エッセイの第1回目が掲載されました。

著者近影、我ながらたいへん晴れやかな顔で気に入っております。

来年3月まで毎月第一日曜日、奇数月は、なんとあの斎藤幸平さんによる「分岐点、その先へ」が、偶数月はこのとおりわたくし・温の「日本語の住人として」が交互に載ります!

デザイナーさんが考案してくださったエンピツの形の区切りが愛らしくてウキウキ。

 ず~っと私の書くもの・話すこと・考えてゆきたいあれこれを見守ってくださった方々にとっては、またこういう話かぁ、と感じる部分も多々あるでしょうけれど、ず~っと書き、話し、考えることを重ねてきた私にとっての「最新地点」から、私にとってはあいかわらず重要なこと、言っておかなければ耐えられないこと、言わせてもらえる限り言い続けようと覚悟しているあれやこれやについて……めげずに書き連ねます!どうぞごひいきに🌳
 全文読むには登録が必要ですが(スミマセン)、リンクも。

mainichi.jp

🚩しんぶん赤旗日曜版「風の色」連載始まります。 

2022年4月から3月までの1年間、しんぶん赤旗日曜版「風の色」の執筆を担当いたします。

「風の色」女性ばかりの素敵な執筆陣!この一員に加われてうれしい。「桃山商事」・清田隆之さんの新連載「こんなところにジェンダーが!?」も楽しみです!

先日(4・17)、その第1回めがついに掲載🚩自己紹介がてら、私の名前について。ユウジュウ、の、ユウ、を説明する難しさについて。優しくありたい、と願うことに素直でいられる名前を授けられたことについて。

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次回からもどうかお楽しみに!