2・5、読売新聞文化面「著者来店」のコーナーにおじゃましてきました。
『祝宴』刊行記念のインタビュー。「祝宴」という作品を語るために、『台湾生まれ日本語育ち』『真ん中の子どもたち』『魯肉飯のさえずり』『永遠年軽』と、計4冊!もほかの本のタイトルにも言及する内容。短い記事に何とありがたいことなのだろう。著者である私自身が、作家としてデビュー以来、いや、ひょっとしたらデビュー以前の”習作”を重ねていた頃から、自分が書くものの一つひとつを、それぞれまったく別の、単独の作品というよりは、大きな繋がりの中で取り組むべきものとして順番に書き続けているようなところあるので、それが見抜かれたのかもしれません(私だけでなく、そういう作家さんは結構いるはずです)。
書きたいから、書く。書いたとたん、読まれたさが募る。読まれたら、またべつのを書きたくなる。思えば私は、ずっとそれだけを繰り返しているように思います。そんな私のインタビュー記事の横には、ナターシャ・ヴォーディン『彼女はマリウポリからやってきた』の書評が(評者は、堀川惠子さん)。個人的に、とっても嬉しい並びです。ナターシャ・ヴォーデンのこの本と出会ってすぐに私は、これは、これからの私にとっての一つの指針になるはずだと興奮しました。だからこの並びを、これからも本を書き続けたい自分のための幸運の兆しだと勝手ながら感じずにはいられません。