🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

🕊『私のものではない国で』2/20発売を控えて🕊

『私のものでない国で』の発売日が近づきます。

2021年の秋から冬にかけて日経新聞「プロムナード」で書いたものを中心に、ここ数年の間にあちこちで書かせてもらったエッセイや書評のいくつかを、一冊の本として編んでもらいました。

3つの対談と1つの鼎談、インタビューも収録。どれも、「答えが見つからない事象を、ただ剥き出しで見せてくれる」文学や音楽や映画や芸術への「愛」を思い出させてくれる、とても大切な「対話」の記録です。それぞれの「対話」の「再録」をご快諾くださるのみならず、新しい私の本が誕生しつつあることを大いに祝してくださった関係者各位にこの場を借りてもう一度心から感謝を💐

『台湾生まれ 日本語育ち』、『「国語」から旅立って』、私家版『日本語に住みついて』も含めると、4冊めとなる私の散文集(+対話の記録)。

私にとっては、『魯肉飯のさえずり』に続く中央公論新社さんからの2冊めです。あちこちに散らばっていた私の原稿を読み、「私のものではない国で」という切り口で纏めあげ、「束ねきれない混沌を抱く」というイメージで本作りにいそしんでくださった担当者さんとデザイナーさんの愛情たっぷりのお仕事のおかげで、ほかでもない著者にとってまさに宝ものみたいな本が完成しました。

wenyuju.hatenablog.com

前回から変わらぬかのじょたちの誠意のおかげで、思いきって家族写真を提供する気持ちにも自然となれました。というわけで、この本の表紙の姉妹は5歳の頃の私と1歳の妹です。刺繍作家であるannasさんによる素敵な青い燕やお花たちと「共演」できて、写真が幸せそう。

絵心溢れる担当者さんが描いてくれたannasさんの刺繍風模様が素敵すぎる

発売日まで、あと少し。私のものではないらしいこの国では、社会が変わってしまうのをこわがったり、いやがったりする人たちのことばが、ざらざらとこの胸を引っ掻いてばかり。だからって私は信じるのをやめない。私のような日本人もいる、という私のこの主張に賛同したい「あなた」たちがこれからも私と一緒にそれを望んでくれるなら、私を「純粋」な日本人だとは認めたくない人たちにとっても、この社会はポジティブに変わるはずだ。あと何年かかるかはわからなくても。

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