「日本語のなかの何処かへ」の第8回めは、「アジアの孤児」を知った頃。発売したばかりの「世界11月号」に掲載中です。
冒頭には、パク・ソルメ『もう死んでいる十二人の女たちと』の帯文にも引用されたあの箇所を……今回も趙文欣さんのイラストがひたひたと沁み入ります。
同号には、木村友祐さんによる、あの日、あの場所での記録も。「追悼式典のさなかに感じた、犠牲になった人々の像が欠落していること」が気がかりだと綴る木村さんの結びの一文を、何度も噛み締めたくなります。100年前の、今現在の、海の彼方の、「ただ懸命に日々の暮らしを営んでいた、具体的な一人ひとり」について、私たちはすぐ忘れる。
中村隆之さんの連載、次回でもう最終回なんて寂しいな。