🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

✏️『Subsequence(サブシークエンス)』vol.6にエッセイ「私たちは常に不十分だ」を寄せました。

 「Arts & Crafts for the Age of Eclectic」をテーマに世界中の工芸と文化にまつわるトピックを取り上げる、知るひとぞ知る超大型&バイリンガル雑誌『Subsequence(サブシークエンス)』vol.6』に、短文「私たちは常に不十分だ」を寄せました。

There's Always Something!

 Twitter経由で、ヴィーガン、と称する人から「あなたにならわかってもらえると思って」と”話しかけられた”時にめぐらせた思いについて書きました。思えばTwitterを使っていた頃は、見ず知らずのひとに色々と話しかけられたっけ。日本のわるくちを言うな、とか、あなたは台湾のことを全然わかってない、とか、日本人として謝ります、とか、あなたの呟いた中国語を添削してあげましたよ、とか、あなたみたいに恵まれた人にあたしの気持ちなどわかるはずがない、とか、自分だけ不幸ぶらないで、とか、マイノリティのくせにどうしてそんな幸せそうなの、とか、その乱暴な言い方をもっと洗練させたら説得力が増しますよ、とか。私にわざわざ関心を持ってくれる人たちを無下にはできない、とそれぞれのことばに対して、自分のことばを尽くしながら真剣に向かい合おうと努力した頃が懐かしい。結局、私は常に不十分だったのだけれど。今では確信している。私がこれまでの人生でやめてよかったもののうちの最上位はTwitterだ。

 『Subsequence(サブシークエンス)』、vol.6の特集は「Harmonious」。エッセイ執筆のご依頼を受けてすぐ、この豊かで複雑な世界で出会う様々な人びとと「友好」な関係を築くためには私はどうしたら、ということを書きたくなりました。松永直さんによる素晴らしい絵画と英訳付きの紙面が愛おしく、届いたばかりの雑誌を抱きしめちゃいました。詳細はこちらから↓

subsequence.tv