🕊温聲提示🕊

温又柔が、こんなことします、や、こんなこと書きました、とお知らせするためのブログ。

🎙8・11(土)甘耀明さん『真の人間になる』刊行記念「多民族・多言語が響きあう物語の魅力」

 この夏、甘耀明さんの傑作長篇『真の人間になる(上・下)』(白水社)が刊行!

 翻訳は、甘さんの前作『鬼殺し』『神秘列車』を手掛けた白水紀子さん。甘さんの”偉業”を、またしても白水先生による日本語で堪能できることに興奮せずにいられません。

 ご縁あって、今回の刊行を記念してこの夏来日なさる甘さんとお話しさせていただくことになりました。ご来店のみならず、リアルタイム配信および見逃し視聴もあります。

bookandbeer.co

 それにしても、真の人間になる、とは。このタイトルからもう、掴まれています。考えてみれば私は、日本人からだけでなく、台湾人からも、お前は「本物」でない、と言われたことがある。でもはっきり言って、私は、自分が、他人にとって「本物」であるか否かということなど、どうでもいい。その他人が、「国民国家」なるものの権威を一度たりとも疑おうとしない人物であるなら尚更だ。私は、日本人だらけのなかで限りなく日本人に近い精神状態で育った台湾人の一人として、日本統治下の台湾や白色テロが多発した戒厳令下の台湾や”日台蜜月幻想”がごく普通の人々の心情にまでさりげなく浸透した現在に至るまでの歴史について、いつも考えている。たぶん私は、台湾と日本の「間」で、精一杯「真の人間」でありたいと、今この瞬間も、切々と祈っている。きっとこの夏私は、今から読み始める甘耀明さんの新作長篇からも、来日なさる甘耀明さんご本人との対話からも大きな学びを得るだろう。8月11日、その瞬間を、ぜひ見守ってください🐅🐅